2019年8月23日金曜日

エヌマ・エリシュ

 『エヌマ・エリシュ』の和訳テキストは『筑摩世界文学大系 1 古代オリエント集』で読めるようだけどさすがに手元に置くには価格もサイズも……なので、Wikipediaから冒頭の和訳を引用。誰の訳なんだろ。

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e-nu-ma e-liš la na-bu-ú šá-ma-mu
上にある天は名づけられておらず、

šap-lish am-ma-tum šu-ma la zak-rat
下にある地にもまた名がなかった時のこと。

ZU.AB-ma reš-tu-ú za-ru-šu-un
はじめにアプスーがあり、すべてが生まれ出た。

mu-um-mu ti-amat mu-al-li-da-at gim-ri-šú-un
混沌を表すティアマトもまた、すべてを生み出す母であった。

A.MEŠ-šú-nu iš-te-niš i-ḫi-qu-ú-šú-un
水はたがいに混ざり合っており、

gi-pa-ra la ki-is-su-ru su-sa-a la she-'u-ú
野は形がなく、湿った場所も見られなかった。

e-nu-ma DINGIR.DINGIR la šu-pu-u ma-na-ma
神々の中で、生まれているものは誰もいなかった。

— 『エヌマ・エリシュ』冒頭部
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%8C%E3%83%9E%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A5より

全文(英語)
http://www.sacred-texts.com/ane/enuma.htm

19/09/08追記
上記成書の「オリエント」のみを収録した文庫(ちくま学芸文庫)があったので、購入。
『シュメール神話集成』
https://www.amazon.co.jp/dp/4480097007%3FSubscriptionId%3DAKIAIJMSOVU5ZV53U5AQ%26tag%3Dthenumber-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4480097007

Laura Bridgman

 重複障害者と言えばヘレン・ケラー(盲・聾)くらいしか知らなかったけど(彼女を教育したサリバン先生は盲のみ)、先人がいたのね、ってことをジッド『田園交響楽』で知った。
 Wikipediaが英語版しかないし、日本ではあまりメジャーでないっぽい。ディケンズの『アメリカ紀行』に記述があるとのことだが、たぶん読まない。
https://en.wikipedia.org/wiki/Laura_Bridgman

王位請求者

 現在の王位請求者、多い。オルレアン家くらいしか知らなかった。ボナパルトの子孫は見た目がそれらしい。
 国民投票で廃位、みたいな記述をみると、理性的で羨ましくなるな。浅田彰が土人の国と言い放った頃から何も変わらないニッポンとはえらい違い。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E4%BD%8D%E8%AB%8B%E6%B1%82%E8%80%85

2019年8月1日木曜日

2019年7月読書記録

 今月読んだ中では『こちらあみ子』がすごかった。おかげで今村夏子を集中的に読んでしまった。これは太宰賞をとった今村のデビュー作で、三島賞ももらっている。文藝春秋もこれで芥川賞をあげていればよかったのだが、太宰賞受賞作が芥川賞候補にピックアップされるようになったのは岩城けい『さようなら、オレンジ』から。その後『むらさきのスカートの女』で芥川賞をとるまで、『あひる』『星の子』が候補になっている。『星の子』はあれだけど、『あひる』にはあみ子と合わせ技であげてもよかったんじゃないの、と思う。『あひる』では短いと言われ、長く書いた『星の子』は冗長と言われ、どうしろと? というところで受賞が決まってよかった。

・あのこは貴族 山内マリコ(※再読)
・スクラップアンドビルド 羽田圭介
・三つの物語 ギュスターヴ・フローベール(谷口亜沙子)●
・あひる 今村夏子●
・三つ編み レティシア・コロンバニ(齋藤可津子)
・星へ落ちる 金原ひとみ
・青い麦 シドニー=ガブリエル・コレット(河野万里子)
・蛇にピアス 金原ひとみ
・こちらあみ子 今村夏子●
・沖で待つ 絲山秋子
・フランケンシュタイン メアリー・シェリー(芹澤恵)
・眠れる美女 川端康成●
・星の子 今村夏子
・サイモンvs人類平等化計画 ベッキー・アルバータリ(三辺律子)
・外套/鼻 ニコライ・ゴーゴリ(平井肇)●