好みに合わないことが多いから…と後回しにしがちな現代日本人男性作家、読んでみたら思いがけずええやないか、が続いた10月。長嶋有に関しては、こういう方向で魅力的に女性を書けるヘテロ男性もいるのだなと驚いた。属性で判断するのよくないねと言いつつもやっぱり意外。慎の母親とか洋子さんとか、いいよなあこの感じ。
町田も辻原も、ジェンダー的に気にならない部分がゼロというわけではないのだが、そういう問題を一旦脇に置いておけるだけの魅力があったし、作品にポリティカリーコレクトであることを潔癖に求めすぎるあまり損なわれる魅力もあろうと思う。
・夏の終り 瀬戸内寂聴
・侍女の物語 マーガレット・アトウッド(斎藤英治)
・父と私の桜尾通り商店街 今村夏子
・くっすん大黒 町田康●
・チェルノブイリの祈り スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(松本妙子)●
・M 愛すべき人がいて 小松成美
・LESS アンドリュー・ショーン・グリア(上岡伸雄)▲
・遊動亭円木 辻原登●
・飛族 村田喜代子
・どん底 マクシム・ゴーリキー(中村白葉)
・潤一 井上荒野
・欲望という名の電車 テネシー・ウィリアムズ(小田島雄志)
・猛スピードで母は 長嶋有●
・不思議の国のアリス ルイス・キャロル(河合祥一郎)
・鏡の国のアリス ルイス・キャロル(河合祥一郎)