若手に与えられる芥川龍之介賞、野間文芸新人賞、三島由紀夫賞の三賞を制覇しているのは2019年11月現在以下の五人。
・笙野頼子『タイムスリップ・コンビナート』『なにもしてない』『二百回忌』
・鹿島田真希『冥土めぐり』『ピカルディーの三度』『六〇〇〇度の愛』
・本谷有希子『異類婚姻譚』『ぬるい毒』『自分を好きになる方法』
・村田沙耶香『コンビニ人間』『ギンイロノウタ』『しろいろの街の、その骨の体温の』
・今村夏子『むらさきのスカートの女』『星の子』『こちらあみ子』
(いずれも芥川賞、野間文芸新人賞、三島賞の順)
芥川賞をもらうと若手の枠から外されて他の二賞はもらえなくなるのが通例なので、三冠を達成できるかどうかは実力というよりは芥川賞の与えられるタイミングによるところが大きく、新人賞受賞作で芥川賞をもらったりすると(沼田真祐『影裏』、石井遊佳『百年泥』、若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』など、近年多くみられる)、自動的に野間文芸新人賞、三島賞はもらえなくなる。他に若手のうちにもらえる可能性のあるのは泉鏡花賞、織田作之助賞、芸術選奨新人賞、紫式部文学賞(これは女性だけ)あたり。2019年に休止した川端賞も絲山秋子、田中慎弥、青山七恵らが比較的早い段階でもらっている。まあ、野間文芸新人賞、三島賞がもらえなくなるからといって、いつまでも芥川賞をもらえないよりは早々にもらえるに越したことはないだろう。